楽して豊かに生きる

我々の多くは、ある程度頑張らないと豊かになれないと教えられてきたし、そう信じている。

学生は勉強しないと豊かになれないといわれ、社会人はキャリアアップしないと豊かになれないといわれる。

最近流行りの副業も、インフルエンサーは皆も好きなことをやろうぜと言う一方で、正しい方法で、時間と労力をかけないと1円も稼げないと脅す。

 

彼らの言うことは正しい。お金を稼ぐには、他人にとっての価値をアウトプットすることが必要であり、たくさんの競合に勝つほどに卓越しないといけない。

いくら上手になっても自己満足ではマネタイズできないし、凡庸なアウトプットではろくに稼げないものである。

 

私は、嫌いなことはしたくないし、好きなことも趣味としてほどほどに楽しみたい。他人への影響は二の次だし、一定のレベルに達すれば十分楽しいから、それ以上上達しなくてもいい。

 

好きなこと、あるいは得意なことを極めてお金を稼ぐという考え方は、資本主義に都合の良い一種の洗脳かもしれない。

洗脳された人はもちろん右肩上がりのアウトプットを出してくれる。

また、特化した以外のことはおろそかになり、お金を払って他人に頼るようになるだろう。そうすれば、なおさら仕事を頑張ってくれるわけだ。

 

私は、このような市場経済の奴隷にはなりたくない。

ビジネスでもアカデミックでも、成果や業績で食っていこうと思うと、割に合わない過当競争を勝ち抜かなくてはいけない。それこそ、プライベートの時間をスキルアップや研究に割かないと勝てない世界だろう。

そして、一度プロに上り詰めても、競争にキャッチアップし続けないと転落することは言うまでもない。

 

私は、好きなことも趣味のレベルに抑えて、広く浅く取り組みたい。

予防医学、健康管理、作物の栽培、工作や修理、裁縫…趣味として勉強・実践する限りはどれもほどほどに楽しく、生活費の節約にもなる。面倒・お金がかかる・難しいことだけ、プロに頼めばいい。

 

全くできないところから趣味のレベルまで上達するのは、プロになるよりははるかに容易である。とくに昨今はプロのテクニックや知識を解説する動画がネット上にあふれており、なおさらハードルが低い。

 

競争で相対的に勝つよりも、絶対的な自足度を上げる、このように豊かになりたいものだ。