快楽主義

我々は何をすべきか

世の中には二種類の人がいると思う。一方は、したいようにすべきだと考える人。他方は、すべきようにしたい人。前者はwantこそが、後者はshouldこそが根本的な行動原理だと考えている。 私は後者に属する人間である。ただしたいようにするだけならば、人間以…

幸福とはなにか

以下は、私が幸福の哲学入門についてツイキャスを配信した際の原稿である。 ツイキャスを見逃してしまった人、ペースが速すぎて理解が追い付かなかった人には、プレゼンテーション資料と一緒に見つつ、じっくり読んでほしい。 幸福の哲学に対して興味を持つ…

快楽主義のこころ

私が思うに、快楽主義のこころを一言で言えば、独我論である。独我論をとるならば、倫理観としては必然的に(広義の)快楽主義をとらざるを得ない。対して、快楽主義をとるからと言って独我論をとる必然性はないが、快楽主義を支持する直観はやはりどこか独…

快楽主義の擁護1(快楽の質の問題)

快楽主義とは、簡単に言うと次の立場である。 Ⅰ.快楽のみが、本人にとって良く、苦痛のみが、本人にとって悪い。 Ⅱ.快楽の良さは快楽の度合に比例し、苦痛の悪さは苦痛の度合に比例する。 快楽主義に対してよく向けられる批判の一つとして、快楽の質の違い…

エピクロスの倫理観について

エピクロスは、古代ギリシャ(ヘレニズム期)の思想家である。 彼は哲学の中でも倫理学、そして倫理の中でも幸福を最重要のものとして探究した。 彼によれば、幸福は主観的な快楽、とくに心の平穏による静的快楽(アタラクシア)であるという。これは、客観…

快楽主義について(その2)

利己的快楽主義というと、どこか享楽的で、不道徳な響きがする。しかし、私が考える利己的快楽主義者のイメージは、非快楽主義者と見かけはほとんど変わらない。彼は、しっかりとしたライフプランも持ち、道徳を尊重し、人生の意味を追求するだろう。私は、…

幸福と道徳における人生観の違い

1.幸福と道徳の根本的な違い 幸福と道徳は、我々が追求する別のものである。確かに、これらはほとんどの場合は一致している。大抵は、打算であっても道徳的に行為することは、自分の幸福にとっても一番良い。それに、本心から道徳的に行為すると、道徳的な…

快楽主義について

私は、快楽や苦痛で人生の良さの全てが決まると思う。 というのも、経験の価値は快楽や苦痛できまり、人生の(生きた本人にとっての)価値(well-being)は、経験で決まると考えるからだ。したがって、人生の価値は快楽や苦痛で決まるのである。 こういう立場…

私の幸福観について

この記事では、私自身がどのような幸福観を持ち、追求してるかを吟味していきたい。 1.幸福に関するアトミズム まず、私は幸福についてアトミズムを取る。 (以下、命題の意味を太字で、数学的な定式化を斜体字で括弧書きするが、読むのは太字だけでよい。…

私の快楽主義について

1.1 快楽主義について 最近私は快楽主義に興味を持っている。快楽主義とはひとことで言えば快楽こそが幸福であるとする立場である。世の人に、快楽を求めない人はいない。しかし、彼らは快楽以外にもいろいろなものを重要視し、決して快楽が幸福の唯一の…