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幸福とはなにか

以下は、私が幸福の哲学入門についてツイキャスを配信した際の原稿である。 ツイキャスを見逃してしまった人、ペースが速すぎて理解が追い付かなかった人には、プレゼンテーション資料と一緒に見つつ、じっくり読んでほしい。 幸福の哲学に対して興味を持つ…

エピクロスの倫理観について

エピクロスは、古代ギリシャ(ヘレニズム期)の思想家である。 彼は哲学の中でも倫理学、そして倫理の中でも幸福を最重要のものとして探究した。 彼によれば、幸福は主観的な快楽、とくに心の平穏による静的快楽(アタラクシア)であるという。これは、客観…

快楽主義について(その2)

利己的快楽主義というと、どこか享楽的で、不道徳な響きがする。しかし、私が考える利己的快楽主義者のイメージは、非快楽主義者と見かけはほとんど変わらない。彼は、しっかりとしたライフプランも持ち、道徳を尊重し、人生の意味を追求するだろう。私は、…

刹那主義について

1.二種類の私概念について 私という概念には二種類ある。 一つは、生まれてから死ぬまで同一の「私」である。普通我々は、例えば昨日晩御飯を食べたのも、明日仕事で働くのも、すべて同じ「私」だと考える。そして、昨日晩御飯を食べた楽しみや、明日の仕…

普遍性追求の重要性

我々は、しばしば「普遍」と「一般」を混同する。たしかに、どちらもすべてについて成り立つという意味では共通している。しかし、両者には大きな違いがある。日本では前者の普遍性が軽視され、一般性が追求されることが多いが、それは個人にとっても社会に…

安楽死について

自殺に対する世間の印象は悪い。自殺は迷惑だと考える人もいれば、自殺は本人のためにもよくないと考える人もいる。しかし、私は自殺が道徳的に容認される場合や、本人のためになる場合もあると考える。また、それでもなお自殺が非道徳的で、非合理的な場合…

死はなぜ快楽主義者の私にとって悪いことでは無いのか

1.死が恐いのは、死が悪いからではない 私は死が怖く、それゆえに先延ばしにしている。私にはどうもその私の行動が合理的なものには思えない。つまり、死が私にとって悪いから避けているのではなく、ただ怖くて避けているだけではないかと思われるのである…

世界を憎んで人を憎まず

世の人はよく他人を責め、憎む。面と向かって他人に対して怒ることもあれば、陰で悪口を言うこともあり、その形態は様々だが、悪を他人に帰属させているという点では共通している。 対して私は、害悪をもたらす他人を避けることはあるが、その害悪の根源をそ…

よく生きること(その2)

よく生きること - 思考の断片 上の記事では、善く生きることは善く経験することであり、それは善く活動することに伴い実現されると述べた。善く活動することについては下の記事で述べたが、まず、これについてより詳しく述べたいと思う。 そもそも、善き生と…

よく生きること

世間の人が、(要領)よく生きるために「どのように」に関して思考するのに長けているが、その前提を問うことを怠ることでかえって人生を損なうことがある、ということについては既に述べた。 私はなぜ、そして何を「考える」か - Silentterroristの日記 彼…

経験について

私が経験という言葉で言い表すのは、一般に心、もしくは精神と呼ばれる場で生じる全ての出来事である。 知覚はもちろん、認識、想像、感情、思考などの精神的活動、およびこれらの対象(客観、イメージ、好き嫌い、命題、言葉)全てが経験というカテゴリーに…

エピクロス主義について

※文章のまとまりのなさ、体裁の悪さはご容赦願います 最近私が興味を持っている思想家はエピクロスである。それは、一面において彼の倫理観と私の立場が一致しているからである。以下では、彼の倫理のこの一側面を紹介し、さらにはその内容がどれだけ同意で…